ワタミ、越谷市、越谷警察の3者が防犯協定を締結

2019.09.27 社会

ワタミ、越谷市、埼玉県越谷警察署の3者は9月25日、「安全で安心な防犯のまちづくりに関する協定」を締結した。同時に、弁当宅配を行う「ワタミの宅食」埼玉北越谷営業所は、具合の悪い利用者を発見し、救急通報したことで人命救助につながったことから、同警察署から感謝状が手渡された。

左から高橋努・越谷市長、「ワタミの宅食」東北・北関東支社の備瀬伸江支社長、「ワタミの宅食」埼玉北越谷営業所の山口みどり所長、倉林修身・越谷警察署長

左から高橋努・越谷市長、「ワタミの宅食」東北・北関東支社の備瀬伸江支社長、「ワタミの宅食」埼玉北越谷営業所の山口みどり所長、倉林修身・越谷警察署長

締結式に出席した高橋努・越谷市長は、「誰もが安全で住みやすいまちにするには、警察、行政、市民、事業者らが一体となって防犯に取り組むことが大事。協定締結により、ワタミの協力を得られたことは、大変心強く、見守り活動の大きな力になるものと確信している」と挨拶した。

ワタミはこれまでに全国197自治体と見守り協定を結び、宅食事業を通じた高齢者支援に取り組んできた。今回の防犯協定締結の契機になったのは、「ワタミの宅食」埼玉北越谷営業所の活躍だ。

埼玉北越谷営業所は、越谷市、三郷市、吉川市、松伏町をカバーし、毎日約700軒に約1000食を届けている。6月1日に「まごころさん」(配達員)が利用者の自宅を訪ねると、いつもはすぐに出てくる男性からの応答がない。鍵付きの宅配弁当専用ボックスを確認すると、前日に届けた弁当がそのまま残っている。

心配になった配達員は営業所に相談し、警察に通報。警察が解錠したところ、衰弱した男性(80代)がトイレで倒れていた。すぐに救急車を呼び、その男性は一命を取り止めることができたという。

「ワタミの宅食」東北・北関東支社の備瀬伸江支社長は「ワタミの宅食は、毎日同じスタッフが、毎日ほぼ同じ時間に届けており、ちょっとした変化に気付くことができる。これまでも『当たり前のように』高齢者を見守っていたが、いま以上に見守りに関して意識し、市民のみなさんの孤立をなくしていきたい」と意気込む。

締結式後には安全で安心なまちづくりについて議論した

締結式後には安全で安心なまちづくりについて議論した

倉林修身・越谷警察署長によると、越谷市では、高齢者をねらった「振り込め詐欺」や、高齢者の交通事故が多く発生している。振り込め詐欺の今年の発生件数は、9月24日までで50件に上り、昨年を上回るペースだという。

「ワタミの宅食」埼玉北越谷営業所の山口みどり所長も「利用者は一人暮らしの高齢者が多く、周りに家族がおらず、相談する人がいないことも多い。困りごとの相談を受けたりすることもあり、直接お届けする意義を感じる」と話す。

倉林署長は「治安の維持には、行政、関係団体、民間との連携が必要。「ワタミの宅食」の配達員の方が各家庭をまわったときに、犯罪被害や交通事故に合わないように、ワンポイントでアドバイスしてもらえれば、より安全なまちづくりにつながる。連携を密にして、安全で安心な越谷にしていきたい」と力を込めた。


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