「NIPPON IT チャリティ駅伝」、就労困難者の支援に

2016.11.11 社会

「第7回 NIPPON IT チャリティ駅伝」。お台場の海のそばを約4000人が駅伝形式で走った

「第7回 NIPPON IT チャリティ駅伝」。お台場の海のそばを約4000人が駅伝形式で走った

「第7回 NIPPON IT チャリティ駅伝」が11月6日、お台場の海に隣接する潮風公園で開かれた。「うつ」や「ひきこもり」といった若年未就労者の社会復帰を目的としたチャリティ・イベントで、IT関連企業が中心となって参加している。当日は、15km(5区間)のコースを778チーム3890人が走った。趣旨に共感し協賛しているワタミからは、3チーム15人が出走したほか、ボランティアスタッフとして15人が参加した。

「NIPPON IT チャリティ駅伝」はもともと、IT業界が元気な業界として認知される一方で、その特殊な業態から、メンタルヘルスの問題を引き起こしたり、「社会的に立場の弱い未就労者」を生み出したりしているという問題意識から生まれた。

そこで、参加者同士が励まし合い、協力し合いながらタスキを繋ぐ「駅伝」を通じて、今を乗り越えようとする若者を支援したいという思いから、2010年に「NIPPON IT チャリティ駅伝」が始まった。

イベントの収益は、「うつ病」「ひきこもり」といった未就労者の就労支援を行う特定非営利活動法人Future Dream Achievement(FDA/神奈川県川崎市)などに寄付される。一人あたりの参加費3000円が、就労トレーニング1日分の費用に充てられるという。協賛企業84社のうち、約半分がIT関連企業だ。

■普段のコミュニケーションを大切に

3チーム15人で15km(5区間)のコースを完走した

3チーム15人で15km(5区間)のコースを完走した

ワタミ株式会社人事部で障がい者雇用を担当している吉田良二は、第2回から「NIPPONIT チャリティ駅伝」に参加している。吉田は視覚障がいを持つため、伴走者とともにアンカーとして3kmを走り切った。吉田は2003年の入社以来、障がい者雇用やボランティア企画などに力を入れてきた。現在、ワタミグループは、法定雇用率2.0%を上回る3.96%を達成している(2014年1月企業グループ算定特例の認定を受けた)。

「会社に方針と理解があるので障がい者雇用を進めやすい。一般的に精神障がい者の場合、職場定着の問題があるが、3カ月に1回は食事会を開くなど、普段からコミュニケーションを大切にしている」と話す。

ワタミの出店ブースでは、1本100円のフランクフルトを販売。300本が売り切れた

ワタミの出店ブースでは、1本100円のフランクフルトを販売。300本が売り切れた

駅伝には、従業員やその家族3チーム15人が参加。ワタミの出店ブースでは、1本100円のフランクフルトを販売した。好評で13時には300本が売り切れたという。売り上げは未就労者の就労支援を行うFDAに寄付される。

ボランティアスタッフは、給水なども協力した。吉田は、「ワタミグループでは全社員に年に1回はボランティアに参加するように呼びかけている。こうした機会が理解を進めるきっかけになる。3km走って疲れたが、また来年も参加したい」と笑顔で語った。


社会との関わりや、人や社会、地球を元気にする取り組みなどを紹介します。