「世界食料デー」、企業や学生らが食の問題訴え

2016.10.27 食

国連が制定した「世界食料デー」である10月16日、「世界食料デーフェスティバル 2016」が日本テレビ・ゼロスタ広場(東京・港)で開かれた。今年は「もったいない×ごちそうさま」がテーマで、世界の食料問題について広く考えてもらい、団体間の協働を促すことが目的だ。出展したワタミは、有機人参を100%使用した人参ジュースや、カンボジア産の有機レモングラスを使ったボディソープなどを販売した。

日本テレビ・ゼロスタ広場で開かれた「世界食料デーフェスティバル 2016」

日本テレビ・ゼロスタ広場で開かれた「世界食料デーフェスティバル 2016」

世界で1年間に生産される穀物の量は25億トン。十分な食料が生産されているにかかわらず、世界では9人に1人(7億9500万人)が栄養不足に陥っている(国連食糧農業機関調べ)。特に南アジアとサハラ以南のアフリカが深刻だ。

一方、人間のために生産された食料の3分の1(13億トン)は毎年廃棄され、先進国ではフードロスが問題視されている。

こうした複雑な食料問題を解決するために、制定されたのが「世界食料デー」だ。国連が1981年に世界共通の日として制定し、世界に広がる栄養不良、飢餓、極度の貧困を解決していくことを呼び掛けている。16日以外にも、10月は「世界食料デー」月間として、国内外でさまざまイベントが開催されている。

■食に携わる企業の責任とは

有機レモングラスを使ったボディソープなどを販売するワタミ社員たち

有機レモングラスを使ったボディソープなどを販売するワタミ社員たち

「日本にもフードロスや食料自給率の問題がある。食に携わる企業として取り組まなければならない課題だ」。こう話すのは、ワタミ広報部・芦野恵理子だ。

ワタミグループでは、千葉県山武市にあるワタミファーム山武農場内に土づくりセンターを開設し、食品リサイクルに取り組んできた。外食店舗や手づくり厨房(食品加工工場)から出た野菜くずなどの食品残差を土づくりセンターに集め、たい肥化し、ワタミファームの農場などで肥料として利用している。

背景には、「『捨てる』から『再利用する』循環型の仕組みを構築し、食の問題に貢献したい」(芦野)という思いがある。

イベント当日、出展したワタミは、有機人参を100%使用した人参ジュース、カンボジア産の有機レモングラスを使ったボディソープとアロマオイルを販売した。有機レモングラスは、ワタミグループが支援する公益財団法人School Aid Japanが運営する農場「SAJ Farm」で栽培されたものだ。カンボジアの就労支援にもつながっている。

今年の「世界食料デーフェスティバル 2016」は学生が主体となって企画された。実行委員会代表の藤山美由樹さんは、「1日でも『食』『もったいない』について考える日ができれば、今後10年、50年、100年と『もったいない精神』を持つ日本人の輪が広がると信じている。その輪を、未来を担っていく学生が立ち上がってカタチ創っていくことに意味がある」としてい


社会との関わりや、人や社会、地球を元気にする取り組みなどを紹介します。