「食品リサイクル・ループ」事業が「もったいない大賞」「愛知環境賞」に

2021.04.02 社会

公益財団法人Save Earth Foundation(東京・大田/以下、SEF)が事務局となって推進している「食品リサイクル・ループ」事業が、「第8回食品産業もったいない大賞」農林水産省食料産業局長賞を受賞した。同事業は、SEFが中心となり、ワタミ株式会社をはじめとした外食事業者5社と共同で構築した、食品の資源循環の仕組みだ。さらにこのプロジェクトに参加するワタミも、積極的な食品と容器のリサイクルの取り組みが評価され、「愛知環境賞」優秀賞を受賞した。

右から愛知県の大村秀章知事、「愛知環境賞」優秀賞を受賞したワタミ株式会社社長の清水邦晃、環境パートナーシップ・CLUBの寺師茂樹会長

右から愛知県の大村秀章知事、「愛知環境賞」優秀賞を受賞したワタミ株式会社社長の清水邦晃、環境パートナーシップ・CLUBの寺師茂樹会長

「食品産業もったいない大賞」は、食品産業の持続可能な発展に向け、CO2削減や廃棄物の再生利用などの観点から、顕著な実績を挙げている食品関連事業者や個人を対象として表彰している。

今回受賞したのは、SEFが展開する「全国初!外食事業者5社連携による飼料化の共同食品リサイクル・ループ構築~食のサーキュラーエコノミーを目指して~」だ。ワタミのほか、セブン&アイ・フードシステムズ、トリドールホールディングス、松屋フーズ、リンガーハットジャパンが参加している。

SEFが事務局となって外食事業者と推進している「食品リサイクル・ループ」事業の仕組み

SEFが事務局となって外食事業者と推進している「食品リサイクル・ループ」事業の仕組み

■リサイクル困難な食品ロスを飼料に再生

外食産業では、発生する食品廃棄物が「少量・多品種・分散発生」で、リサイクルが難しく、業種別再生利用等実施率も目標50%に対し、32%(2017年度推計)と低迷していた。

そこでSEFでは、主催している「ゼロエミッション研究会」の参加企業のうち、環境マネジメントに高い水準で取り組む外食5社と連携し、共同食品リサイクル・ループの構築を進めた。競合的同業他社が組むのは異例のことだ。

SEF事務局長の福井聡は「『大量生産、大量消費、大量廃棄』の構造から、サーキュラーエコノミー(循環経済)へと転換していく必要がある。研究会を通じて、『命から生まれた食品を無駄にしてはいけない』との使命感を持っている担当者がたくさんいることがわかった。だからこそ、食品リサイクルから食品リサイクル・ループへとレベルを一段引き上げ、志を同じくする方たちのプラットフォームをつくろうと思った」と経緯を語る。

この共同食品リサイクル・ループでは、収集運搬業者、再生利用事業者、配合飼料メーカー、養鶏場の協力を得て、外食事業で発生した食品廃棄物を飼料に再生し、そのエサで育てられた鶏卵を、外食事業事業者が買い戻す仕組みだ。

関連法令の遵守、排出量等の把握といった運用状況の管理には、SEFが開発した資源管理適正化支援システム「SEF-Net」が活用されている。

2021年3月月現在、名古屋市内41店舗が参加。ワタミでは、「焼肉の和民」名駅4丁目店、「ミライザカ」名駅4丁目店、「鳥メロ」名駅4丁目店、「鳥メロ」塩釜口駅前店、「鳥メロ」今池店の5店舗が食品リサイクル・ループに参加している。

その結果、これまで焼却処分されていた年間約170トンの食品廃棄物がエコフィード約34トンに再生され、生産された鶏卵のうち約44トン(約70万個)を外食事業者が買い戻した。収集ルートの効率化にも役立ち、各社単独で取り組んだ場合と比較して、車輌台数が16台から8台に半減したという。

■食品と容器の「W」(ダブル)の取り組みが評価

ワタミが優秀賞を受賞した「愛知環境賞」は、愛知県が2005年愛知万博の開催に合わせて創設した賞で、資源循環や環境負荷の低減を目的とした先駆的な事例を表彰している。

「食品リサイクル・ループ」事業に、「プラスチック弁当容器リサイクルループ」を加えた「ワタミの愛知モデルWリサイクルループ」が評価された。このプラスチック弁当容器リサイクルループは、使用済みの弁当容器を回収してケミカルリサイクルすることで、プラスチック弁当容器として再利用する取り組みだ。

SEFの福井は「受賞を機に多数の問い合わせをただき、手ごたえを感じている。このモデルを全国各地に広げていくことが次の目標。食は命の源。これからもすべての人が、子や孫の世代まで、誰一人取り残されることなく、安心して暮らせる社会にしていくには、食の循環は必須。コロナ禍であっても『今だからこそできること』を意識しながら、行動していきたい」と抱負を語った。


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