「ワタミ環境レポート2020」を発行、SDGsの取り組みも紹介

2020.09.30 社会

ワタミは9月30日、「ワタミ環境レポート2020」を発行しました。ワタミSDGs推進本部長・百瀬則子がレポートの概要を紹介します。

――「ワタミ環境レポート2020」のポイントを教えてください。

ワタミ環境レポート2020

ワタミ環境レポート2020

2019年から「環境レポート」として発行し、具体的な環境活動の実績やSDGsの取り組みについて情報発信をしています。

ワタミは2019年4月にSDGs推進本部を立ち上げ、タスクフォースチームを結成し、「オーガニックプロジェクト」「RE100プロジェクト」「容器回収リサイクルプロジェクト」を進めてきました。2020年版では、そうした活動の成果も紹介しています。

「ワタミ環境レポート2020」は単年度の報告書ではなく、過去から今、そして未来につながっていくという全体像を描きました。ワタミは地球環境や人々の幸せを考えているという姿勢を示せたのではないかと思います。

従業員一人ひとりが、自分の仕事が地球環境や未来につながっているということを実感してもらえたらと思います。

――レポートでは「脱炭素社会」に向けた方向性も示されています。

2018年度からは、サプライチェーン全体の温室効果ガス(GHG)排出量を把握するようにしています。「環境レポート2020」では、スコープ1(自社での直接排出)、2(他社から排出された間接排出)、3(サプライチェーン全体の間接排出)での排出量を公表しました。

全体像を把握することによって、優先的に取り組むべき部分を突き止め、総量を抑える施策を進めています。

再生可能エネルギーの拡大も、重要な気候変動対策の一つです。

ワタミは2018年3月に、使用電力のすべてを再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しました。提携会社と連携しながら、風力発電やメガソーラーを開発するほか、各地で「地域電力」を立ち上げるなど、電力の地産地消にも取り組んでいます。

ワタミは六次産業化に力を入れていますが、未来の子どもたちに恥ずかしくないように再エネを活用した六次産業を展開し、持続可能な社会をつくることを目標にしています。SDGsが目指す世界そのものともいえます。

――「次世代に」という思いは昔からあるのですね。

ワタミ㈱ SDGs推進本部長・百瀬則子

ワタミ㈱ SDGs推進本部長・百瀬則子

ワタミは「美しい地球を美しいままに、子どもたちに残していってあげたい」という思いから、1999年に環境宣言を行い、環境負荷を低減しながら事業活動を展開してきました。

同時に有機農業、森林再生、再エネの創出も進めています。「いまより悪くしない」ことはもちろんのこと、「モアグッド(いまより良くしよう)」という思いからです。

例えば、ゴミを減らすだけではなく、どうしても出てしまったゴミは回収してリサイクルしています。日替わり夕食宅配を行う「ワタミの宅食」では、自治体やお客様の協力を頂きながら、弁当・惣菜容器を回収し、容器の原料などに再資源化しています。

資源循環させることは、CO2を削減するとともに、海の生物を守ることにもなります。SDGsでいえば、目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」や目標14「海の豊かさを守ろう」にもつながります。

食品ロスが問題になるなか、ワタミグループが支援する公益財団法人Save Earth Foundationが中心となり、セブン&アイ・フードシステムズ、トリドールホールディングス、松屋フーズ、リンガーハットジャパン、ワタミの5社と共同で、「食品リサイクル・ループ」も構築しました。廃棄物をリサイクル業者に渡して終わり――ではなく、食品ロスを飼料化し、その飼料でできた農畜産物を買い戻すという循環の仕組みです。

――「ワタミオーガニック」のブランド化にも力を入れています。

オーガニックは、地球環境を守るとともに、お客様の健康や生産者を守ることにもつながります。食べれば食べるほど地球環境に良い影響を与えます。それを普通の居酒屋で表現するのが、ワタミらしいのではないでしょうか。

特別なオーガニックレストランではなく、普通の外食店舗で有機野菜を提供することは、関心がなかったり、食べる機会がなかったりする人にも知ってもらうきっかけになり、友達や家族にも広がっていきやすいです。

「環境レポート2020」が、こうしたワタミのサステナビリティ(持続可能性)の取り組みを知ってもらう機会になり、行動が変わるきっかけになれば幸いです。

◆百瀬則子(ももせ・のりこ) ワタミ株式会社執行役員SDGs推進本部長、一般社団法人中部SDGs推進センター副代表、環境省登録環境カウンセラー、地球温暖化防止コミュニケーター、ESD活動支援センター上席アドバイザー。1980年、ユニー入社。環境部長、環境社会貢献部長などを経て、2014年にユニーグループ・ホールディングス執行役員就任。その後、ユニー上席執行役員CSR部長、ユニー・ファミリーマートホールディングス執行役員を経て2019年4月から現職。


社会との関わりや、人や社会、地球を元気にする取り組みなどを紹介します。