日向の森で植樹、「未来の子どもたちに残る森を」

2024.05.28 自然

ワタミが支援する公益財団法人Save Earth Foundation(SEF/東京・大田)は5月18日、に「みどりとふれあう植樹会」を開催した。第7回となった今回は、協力企業の社員や周辺地域に住む住人など100人以上が参加し、広葉樹の苗を175本植樹した。

挨拶をする渡邉美樹理事長

挨拶をする渡邉美樹理事

「日向の森」は千葉県山武市に所在する。古くから高品質木材として知られる「サンブスギ(山武杉)」は、江戸時代中頃にイワシ漁に使用する船材として使われたり、大火からの復興のため木材・建具の材木として供給されたりしてきた。県内のサンブスギ林の面積は9180haあり、県のスギ林面積の24%にあたる。

しかし、時代を経るにつれて外国産材の普及などにより林業が徐々に衰退。後継者不足という課題もあり、維持管理が難しくなっていた。そこでSEFと山武市が2012年に保全協定を締結し、森林保全活動を実施。24年5月末までに1924本の植樹を行い、イベント・ボランティア参加者数は3409人に達した。

森林組合の職員が植樹の方法を参加者にレクチャー

森林組合の職員が植樹の方法を参加者にレクチャー

「みどりとふれあう植樹会」では、植樹を始める前に、県森林組合の職員が植樹の方法のレクチャーも行った。植樹する場所の落ち葉などを払いながら、スコップで穴を掘り、苗木の根元をその穴に埋める。掘った土で埋め戻し、地面をならして踏み固める。最後に支柱を苗木に沿って立てて、ひもで苗木を支柱に結びつける。

苗木はケヤキやコナラ、コブシ、イロハモミジ、コムラサキシキブなどが用意され、参加者は数人のグループになって協力して植樹を行った。

参加者はケヤキやコナラなどの苗木を植樹した

参加者はケヤキやコナラなどの苗木を植樹した

植樹会に参加した女性は、スコップに体重をかけながら土を掘る。それを手伝う男性参加者は「土が意外と固くて、体重をかけないときちんと掘ることができない」と話した。植樹には渡邉美樹理事長も参加。記念碑を参加者と協力しながら、設置していた。

約1時間の植樹を終えた後は、参加者全員での記念撮影を行い、その場でカマドで焼いたピザが提供された。

SEFの百瀬則子氏は「日向の森は国産木材への需要が減るなかで放置されてきた。植樹や間伐などの活動を通じて、未来の子どもたちに森を残していきたい」と話す。活動を通じて希少植物も発見されたという。詳細については非公表だが、植樹と並行して保護活動を行っているという。

植樹後は参加者全員で記念撮影

植樹後は参加者全員で記念撮影


社会との関わりや、人や社会、地球を元気にする取り組みなどを紹介します。