「鳥メロ」「ミライザカ」の4店舗、港区の「ごみ減量優良エコショップ」に認定

2021.02.24 社会

ごみの減量・資源化に積極的に取り組む小売店として東京都港区が認定した「みなとエコショップ」のうち、特に優秀な「ごみ減量優良エコショップ」として、「鳥メロ」「ミライザカ」の4店舗が表彰された。「おみやパック」(持ち帰り容器)や食べ切りを促す「3010(さんまるいちまる)運動」など、大手飲食店チェーンのスケールメリットを活かした食品ロス削減の取り組みが評価された。

右からワタミ株式会社営業推進本部店舗サポート課の玉村麻子、三代目「鳥メロ」新橋銀座口ガード下店の釣井祐貴店長、ワタミ株式会社SDGs推進本部の三島瑛莉

右からワタミ株式会社営業推進本部店舗サポート課の玉村麻子、三代目「鳥メロ」新橋銀座口ガード下店の釣井祐貴店長、ワタミ株式会社SDGs推進本部の三島瑛莉

今回「ごみ減量優良エコショップ」として表彰されたのは、「三代目 鳥メロ」新橋銀座口ガード下店、「三代目 鳥メロ」外苑前スタジアム通り店、「ミライザカ」新橋銀座口ガード下店、「ミライザカ」青山外苑前店の4店舗だ。

SDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任つかう責任」では、2030年までに食品ロスを半減させるという目標が掲げられている。「SDGs日本一」を目指すワタミグループも、2030年までに食品ロス半減を目指し、積極的な取り組みを進めてきた。食べ残しの持ち帰りが一般的ではなかった創業当初から、外食店舗では持ち帰り容器を提供してきたという。

2019年10月からは「おいしい ワタミ 食べきり」を掲げ、持ち帰りの推奨に加え、食べ切りを促す「3010運動」を推進している。「3010運動」とは、宴会や会食などで「始まりの30分」と「終わりの10分」は料理を楽しみ、食べ残さないようにする取り組みだ。

注文用タブレットのスクリーンセーバーで食べ残しの持ち帰りと食べ切りを呼び掛ける

注文用タブレットのスクリーンセーバーで食べ残しの持ち帰りと食べ切りを呼び掛ける

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、来店客との直接のコミュニケーション機会が減ったこともあり、2020年11月からは注文用タブレットのスクリーンセーバーで、「おみやパック」の提供と「3010運動」を呼び掛けている。

三代目「鳥メロ」新橋銀座口ガード下店の釣井祐貴店長は、「特に宴会の場合、食べることよりも、話したりコミュニケーションを楽しんだりすることがメインの場合が多い。何となく、残っている食べ物に手を付けにくい空気感もあって、食べ残しが発生しやすかった。タブレット上で案内が流れることで、声をかけられることが増えた」と、変化を語る。

「お客様の意識だけではなく、メンバー(従業員)の意識も変わった。食品ロス削減を呼び掛けることに対しての抵抗感もなくなり、なかには積極的に『おみやパック』を勧め、お客様に喜んで頂けることもある」(釣井店長)

ワタミ株式会社営業推進本部店舗サポート課の玉村麻子は、店舗サポートの一環としてSDGsを推進している。

焼肉食べ放題業態「かみむら牧場」では、「食べ残しゼロ」キャンペーンを実施している

焼肉食べ放題業態「かみむら牧場」では、「食べ残しゼロ」キャンペーンを実施

焼肉食べ放題業態「かみむら牧場」では、食べ残しを防ごうと、2月中は、食べ切ると「チロルチョコのすくいどり」ができるサービスなどを実施。楽しみながら食品ロスを減らせる取り組みとして、お客様からも好評だ。

「何かを伝えて、人の心を動かし、行動まで変えることの難しさを感じているが、走り出したことで見えてきた景色もある。もともと社員の環境意識が高いこともあって、他部署の協力を得ながら進められている」(玉村)

地域との連携にも力を入れ、104店舗が各自治体の食べきり運動にも登録した。玉村は「食品ロスを減らすという大きな目標に向かって、地域との付き合い方も深まってきた」と話す。

ワタミグループでは、生産工場や外食店舗から排出された食品廃棄物を飼料に再生利用するなど、食品の資源循環の取り組み「食品リサイクル・ループ」を構築した。

ワタミ株式会社SDGs推進本部の三島瑛莉は、「2030年までに半減を目指し、工場や店舗でのリデュースに力を入れる。それでも発生してしまったごみは、『食品リサイクル・ループ』などを通じて循環型社会に貢献していきたい」と意気込みを語った。


社会との関わりや、人や社会、地球を元気にする取り組みなどを紹介します。