有機「きく芋」の初収穫、群馬県知事にも報告
2020.12.24 農
ワタミは12月11日、ワタミファーム倉渕農場(群馬県高崎市)で有機栽培した「きく芋」の初収穫を山本一太・群馬県知事に報告するために、群馬県庁を表敬訪問した。(有)ワタミファームは2020年4月から5農場できく芋の生産を始め、5農場全体で40トンの収穫を見込んでいる。
「きく芋」は、ごぼうと同じキク科の植物で、ほのかな甘みとシャキシャキの食感が特徴だ。「きく芋」の成分にはでんぷんがほとんど含まれず、成分の約6割を占める水溶性食物繊維「イヌリン」は、腸内環境を整える効果がある。
亜鉛などのミネラル分のほか、ポリフェノ―ルやビタミンB群など「きく芋」には体を元気にする栄養素が含まれており、健康野菜として注目されている。
ワタミではこの「きく芋」を「スーパーBIOフード」として「ワタミオーガニック」の新しい目玉商品とするために、5つの農場で生産を開始。ワタミグループの戦略作物として栽培面積を年々増やし、3年後には約300トンまで収量を増やす計画だ。
2024年までにグル―プで使用する野菜の60%を有機野菜・特別栽培野菜にすることを目指しており、健康食材として注目される「きく芋」を有機栽培し、商品化することで、消費者のオーガニック(有機)に対する関心を高めていく。
倉渕農場では、当初予想していた収穫量の2倍に当たる20トンの収穫を見込んでいる。倉渕農場は高原レタスの生産で有名で、ワタミ㈱代表取締役会長 兼 グループCEOの渡邉美樹は「黒ボク土(火山灰由来の土)と高地という地理的な特徴から、きく芋の生育にも適していたのではないか」は話す。
初収穫の報告を受けた山本県知事は、「コロナ禍を乗り越えることが最優先だが、新型コロナウイルスで健康や免疫力向上への意識が高まり、有機や健康食への関心も高まっている。群馬県も温泉などをはじめ、健康食も県の観光資源にしていきたい」とワタミグループとの連携への意気込みを見せた。
ワタミは、「きく芋」の加工も群馬県内で行い、「群馬ブランド」の主力商品として展開することを目指す。収穫した有機「きく芋」は、外食店舗のメニューや宅食事業の弁当、「ワタミオーガニック公式ショップ」の製品として普及していく。