海上の森で「森のクリスマスリース」づくり
2019.12.16 自然
2006年から森林保全活動を続けるワタミグループは、「あいち海上(かいしょ)の森センター」(愛知県瀬戸市)と森林保全協定の締結に向けた準備を進めている。そのキックオフイベントとして、12月14日に「森で自然とふれあう会」を開き、森の手入れと森の資源を使ったクリスマスリースづくりを行った。ワタミ社員ら約40人が参加し、森づくりについて楽しく学んだ。
「あいち海上の森センター」は、「愛知万博」(愛・地球博)の理念や成果を継承するために、森林や里山に関する学習と交流の拠点として2006年に設立された。多彩な体験学習プログラムを展開するほか、企業連携プロジェクトにも力を入れ、県・県民・企業など多様な主体が一体となった森づくりを目指す。
14日に開かれた「森で自然とふれあう会」では、ワタミが保全協定を結ぶ予定区画で、森の散策や手入れを行った。
「森はいろんな発見があってとっても楽しい場所。自然と触れ合うとほっとする。森の『秘密』を見つけて楽しんでもらえたら」。インタープリターの酒井立子さんは、海上の森を案内しながら、森の魅力を説明してくれる。
落ち葉がいっぱいの遊歩道を歩き進めると、突然甘い香りが漂う。酒井さんは落ち葉を拾って「タカノツメという木の葉が落ちると、発酵して甘く香る。これも森の『秘密』の一つですね」。
12月には約30種の冬鳥が観察できるという。耳を澄ますと、「ニーニー」と鳴くヤマガラやコゲラの「ギーギー」と鳴く声が聞こえる。
森の手入れには、植林や伐採、下草狩りや枝打ちなどたくさんの作業があるが、今回は木にからまったツルを取る「ツル切り」の作業を行った。ツルは木に巻き付いて、上へ上へと伸びていく。伸びるにつれてツルは太くなり、強く巻き付くため、締め付けられた木は変形したり、折れてしまったりするという。ツルが邪魔をして日光も地表に届かなくなる。
酒井さんは「昔はツルでかごを編むなど、森の手入れと生活用品づくりが一体だった。いまはそうした習慣がなくなってしまった」と説明する。
そこで、今回はこのツルを使ったクリスマスリースづくりに取り組んだ。ツルに加え、赤い実や松ぼっくり、ヒイラギなど自然の恵みをふんだんに使った「森のクリスマスリース」だ。
まず曲げやすい適度な太さのツルを選び、好きな大きさの円状にする。その後、細いツルを巻き付けて形を固定していく。
ツルでリースの輪ができたら、後は飾りを付けていくだけ。ヒイラギや松ぼっくり、赤い実やリボンなど、それぞれ自分が好きなクリスマスらしい飾り付けをしていく。
「自然から学ぶことはたくさんあるが、森の価値には気付きにくいかもしれない。今日は森に落ちていたものや不要になってしまうツルが、素敵なリースになった。森の管理の意味を感じてもらえたら嬉しい」(酒井さん)
会の最後では、参加者がSDGs(持続可能な開発目標)で取り組みたい目標を発表。「汚れた水が海に流れないように気を付けたい」「ムダなごみを出さない」「教育に関心があるので募金を続けたい」など、それぞれ自分ができることの決意表名をした。ワタミの百瀬則子顧問(SDGs推進本部部長)は「今日は森の大切さを実感できたと思う。この豊かな自然を次世代につなげられるように頑張りましょう」と締めくくった。