食ロス削減、自治体と大手小売り・外食が共同宣言

2019.11.11 食

ワタミ、イオン、セブン&アイ・フードシステムズの3社は10月23日、食品ロスの削減を目指し、全国408の自治体が参加する「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」と共同宣言を出した。10月1日には「食品ロス削減の推進に関する法律」が施行されており、ワタミは食品ロス削減に向けた活動「おいしい ワタミ 食べきり」を推進していく。

食品ロス削減の推進に関する共同宣言式で

食品ロス削減の推進に関する共同宣言式で

農林水産省によると、日本では年間352万トンの事業系食品ロスが発生している。内訳は、食品製造業が137万トン、外食産業が133トン、食品小売業が66トン、食品卸売業が16トンだ。

共同宣言では、食べきり運動の普及啓発や、そのための情報発信などを連携して取り組んでいくことが明記された。

ワタミは2010年、環境省から「エコ・ファースト企業」の認定を受け、エコ・ファーストの約束として食品ロスの約束を記載している。2018年は外食事業で2887.5トンの食品廃棄物があり、そのうち、お客様の食べ残しが66%、調理残さが34%だったという。

そこで、2030年までに食品ロスを50%削減することを目指し、「おいしい ワタミ 食べきり」を推進していく。

具体的には、持ち帰り専用容器「フードパック」を提供し、食べきれない食品の持ち帰りを推奨する。この容器にはバイオマスプラスチックを使用し、プラスチックごみ削減につなげる狙いもある。

もう一つは、「3010(さんまるいちまる)運動」の推進だ。「3010運動」とは、宴会や会食などで「始まりの30分」と「終わりの10分」は料理を楽しみ、食べきりを実践する取り組みだ。主力の居酒屋業態である「ミライザカ」「鳥メロ」「和民」「坐・和民」を中心に推進し各業態に広げていく。

さらに各自治体が実施している食べきり運動にも参加する。10月21日時点では、東京都大田区、同渋谷区、名古屋市の食べきり運動に登録している。

ワタミSDGs推進本部の百瀬則子本部長は「食べ残しの食品ロスをどうやって減らしていくのかは、お客様と一緒に取り組まなければいけない。私たちは食べ物を食べているのではなく、命をいただいて生きている。だからこそ、食べ物を大切にすることをお客様、従業に伝えていく」と語った。

同協議会の崎田裕子会長は、「全国規模の事業者と共同宣言を行うことで、社会全体に食品ロス削減を進め広げていく大きな流れを作っていきたい」と話した。


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