20回目の「北海道わたみ自然学校in厚真町」、37人の小学生が参加
2018.08.10 自然
北海道の広大な自然のなかで命や夢の大切さを学ぶ「北海道わたみ自然学校in厚真町」が7月30日から8月2日までの4日間にわたり開催された。自然学校はワタミが1999年から毎年開いており、今年で20回目。厚真町などの協力のもとで行われ、「命」「自然」「友達」「生活習慣」「夢」の5つのテーマに沿って牧場見学や野菜収穫体験など多彩なプログラムを開催。小学4~6年の子ども37人が参加し、ワタミ社員が「先生」として引率した。
厚真町は北海道の南西部、札幌から車で1時間半の場所にある。稲作など農業や畜産業、とくにハスカップの栽培などが有名で、自然の実り豊かな町だ。サーファーが多いことでも知られ、ベンチャー企業の育成などにも力を入れている。
■お弁当に入っていた両親からの手紙
1日目の7月30日、空港に集まり飛行機に乗り込み北海道へ。初めての体験に不安な子もいたが、離陸する瞬間は子どもも大人も胸が高鳴る体験だった。
北海道に到着してバスで旭陽牧場へ。初めて会う子どもたちも、みんなであだなをつけあって仲良くなった。
広大な牧場で牛たちが迎えてくれた。外で食べるお弁当には、両親からのお手紙が入っていた。「何が書いてあるんだろう」とびっくりする子どもたち。「久しぶりに手紙をもらって、嬉しかった」。親元を離れた環境で改めて、普段の家族のありがたさを感じたのかもしれない。
厚真町長や、マスコットキャラクター「あつまるくん」もかけつけてくれ、温かい歓迎の言葉に子どもたちも元気をもらったようだ。
1日目は、「友達」と「生活習慣」をテーマに、人とのつながりの大切さや、様々な人と一緒に生活することについて学んだ。夜のバーベキューでは「やわらかいラム肉がとてもおいしかった」。そのあと夜空に瞬くたくさんのホタルを観察した。
■厚真町の自然を体感、夜にはキャンプファイヤーも
2日目のテーマは「自然」。発掘体験のあと、森のなかで子どもたち思い思いのツリーハウスをつくった。さらに馬ぞりや勾玉づくりと、盛りだくさんだ。発掘体験では「掘るとき、コツッと土でないものにあたる感覚が面白かった」。縄文時代の人々の営みに思いをはせた。
夜にはキャンプファイヤー。みんなでやった「じゃんけん列車」は子どもたちの思い出に残ったようだ。そのあと眠い目をこすりながら、子どもたちは一人ひとりの「夢の作文」を書いた。書いているうちに「自分の将来の夢が見えてきた」と話す子もいた。
■命の大切さ、「食べること」の意味を考えた
3日目は「命」がテーマ。牧場で搾乳をし、「牛乳がおいしかった」と子どもたち。牧場での牛との触れあいに、「動物のお肉を食べるということは、命を犠牲にして生きているということ。食べ物はなるべく残さず食べたい」と、命の大切さについて感想を話す子もいた。
そのあと畑で野菜の収穫を体験。厚真町名物のハスカップを摘みたてで食べるという貴重な体験もした。収穫した野菜は夕食のカレーの材料に。空き缶でご飯を炊く「缶ゴウ炊飯」を体験し、「大変だったけど楽しかった」と話した。夜には、子どもたちの一人ひとりの「夢の作文」を発表し合い、夢の大切さを学んだ。
■4日間での体験と学びを発表
最終日の4日目は、厚真太陽光発電所を見学した。東京ドーム5個分の面積に、6万枚のパネルが敷き詰められたメガソーラーの迫力に「大きくてびっくりした」、「迷子になりそう」、「普段見ることのできないソーラーパネルの裏側を初めて見れてうれしかった」と、思い思いの感想を持つ子どもたち。最後まで学びの詰まった日程を終えた。
飛行機で4日ぶりに東京に戻り、報告会では両親に元気な姿を見せた。班ごとに、模造紙や画用紙にイラストをまじえて感想をまとめ、かけつけた大勢の保護者の前で発表した。普段の生活を離れ、3泊4日の自然学校で様々な体験をした子どもたち。その元気な姿に保護者もスタッフも目を細めながら、和やかな報告会となった。
「これまで自分が経験した自然学校のなかで一番エネルギッシュな子どもたちだった」と話すのは小出浩平・自然学校教頭(ワタミファーム&エナジー社長)。自然学校は、社員の家族だけでなく一般から応募した子どもも参加して行われている。
小出教頭は「自然学校は厚真町の広大な自然を子どもたちに体験させてあげたいという思いで開催しています」と話す。また一方で、「『先生』として引率するスタッフのなかには『子どもたちに教えられて一皮むけた』と話す社員もいる」と、ワタミ社員にとっても貴重な学びの機会となっていると述べていた。