日向の森で「森活」、植樹や森の散策も
2018.05.24 自然
ワタミメンバーズアライアンスは、組合員とその家族を対象に5月12日、日向の森(千葉県山武市)で森活を行った。森活の第3弾として企画された今回の内容は、毎年恒例となった日向の森(千葉県山武市)での植樹と、森の散策だ。
日向の森がある山武市は、千葉県東部に位置し、人口は約5万人(2018年4月1日現在)、2006年3月に隣接する4町村が合併して誕生した市だ。太平洋に面し、山海の自然豊かな地として知られる。
なかでも古くから高品質木材として知られる「サンブスギ(山武杉)」の産地として有名だ。江戸時代の中頃から栽培が盛んになったサンブスギは、山武地域を中心に、現在千葉県の杉林面積の17.8%となっている。
山武地域は、木材の供給地として栄えてきたが、外国産材の普及による木材価格の低下や、非赤枯性溝腐病という木の病気が蔓延したことで、林業は徐々に衰退してしまった。さらに、近年は林業の後継者不足という課題もあり、以前と比べ、森の維持管理が行き届かなくなっていた。
そこで、ワタミが支援する公益財団法人Save Earth Foundation(SEF/東京・大田)は、山武市と「日向の森」の保全に関する協定を締結し、月2回のペースで、ボランティアを募集し、森の手入れを行っている。
今年はスギ200本を皆で植樹した。スコップで30cmほどの深さに穴を掘り、苗木の根元を埋め、掘った土を埋め戻し、地面をならし踏み固める。最後に支柱を苗木に沿って立て、ひもで苗木を支柱に固定すれば完成。山武市、千葉県森林組合(植樹の技術指導)の職員も植樹に参加し、一般参加の方々とともに1時間30分の時間で準備した苗木を、試行錯誤しながら植えた。
植樹を終えて、参加した4歳の女の子は「木を植える時に、土をふみふみしたのが楽しかった」と笑顔を浮かべる。また、7歳の男の子は「木の植え方がわかってうれしかった」と顔に汗をかきながら語ってくれた。
昼食が振る舞われた後、参加者らは日向の森を散策し、野鳥のさえずりや赤いマンリョウの実、サンショウなどを観察し、森林浴を楽しんだ。
森活を企画しているワタミメンバーズアライアンスの亀本伸彦中央執行委員長は、「家族みんなで植樹をして、森を散策し、自然に親しむことで、子どもたちにも自然の大切さを学んでもらえたらうれしいですね」と語った。
日向の森を管理しているSEFの福井聡理事・事務局長は、「森が元気でないと、生物多様性の維持ができない。森から出る栄養分が少なくなり、周りの海も豊かにならない。自然は絶妙なバランスの上で成り立っていることを、日向の森を通じて知ってもらえたらいいですね」と笑顔で話した。