小学生36人が「北海道わたみ自然学校in厚真町」で自然の豊かさ楽しむ
2017.08.21 自然
「北海道わたみ自然学校in厚真町」が8月1―4日に開かれた。小学4年生から6年生までの36人が親元を離れて、北海道厚真町で3泊4日を過ごした。ワタミは1999年から、自然や友だち、命、生活習慣、夢について考えてもらう機会を子どもたちに提供しようと、自然学校を毎夏北海道で開催している。ワタミグループの社員6人も、先生として引率した。厚真町では2016年より町役場と共催で行っている。特に今年は、企業版ふるさと納税を活用して実施した。
自然学校の舞台となった北海道厚真町は、札幌から車で1時間半、新千歳空港から30分の距離に位置する自然に囲まれた実り豊かな町だ。雪は少なく、夏も涼しく、過ごしやすい地域である。町の特産品ハスカップは、日本一の栽培面積を誇る。
■初めてのジンギスカンやホタル観賞
自然学校1日目の8月1日。空港に集まった子どもたちの中には、初めての飛行機、初めて親元を離れての生活と、緊張を隠せない様子の子もいた。厚真町に到着後、最初に向かった牧場で草を食む牛を目の当たりにすると少しずつ笑顔を取り戻し、その後町民センターで出迎えてくれた厚真町公式キャラクターあつまるくんの可愛らしさに、子どもたちはいやされた。
宿泊所に到着し、子どもたちが最初に取り組んだのは、BBQの食材を町内店舗で調達するミッションだ。町の人と直接話し、町を知る。そして、調達してきた食材を使った夕食が始まる。子どもたちは厚真町名物のあづまジンギスカンに舌鼓を打つ。「生まれて初めて食べたジンギスカンがとってもおいしかった」と感想を語った子もいた。
夕食後はホタル観賞。自然のホタルを初めて目にする子どもたちが多く、「みんなで見られて良かった」「きれいだった」と、楽しい思い出になったようだ。同時に、「ホタルの数を減らす自然破壊はいけない」と、自然の大切さも学んだ。
■ 森遊びやゴミ拾いで自然との共生学ぶ
2日目の8月2日は「自然」がテーマ。森で遊んだり、メガソーラー(厚真太陽光発電所)を見学したり、海岸でゴミ拾いをしたりした。子どもたちは「きのこやカナチョロ(カナヘビ)など、たくさんの知らないものに出会えた」と嬉しそうだ。
海のゴミの多さにも驚いた。「漂着物のにおいが臭かった」「ゴミが落ちているのは誰かが捨てているということ。改めてちゃんとゴミ箱に捨てたい」と子どもたちの目は真剣だ。
2日目の夜は、キャンドルを灯す「キャンドルナイト」を野外で行った。キャンドルの灯りを見ながら、みんなで夢について考えたり、夢の大切さを学んだりした。
■ 生乳や有機野菜のおいしさに感動
8月3日は、「命」がテーマ。牧場での哺乳体験や農薬を使わない野菜の収穫、夕食づくりやキャンプを楽しんだ。
酪農を行う山田牧場では、子牛に触れたり、哺乳体験を行ったりした。絞りたての生乳を味わった子どもたちは、「甘くておいしい」「スーパーで売っている牛乳とは違う」「牛は牛乳1リットルをつくるのに、ドラム缶一杯の血液が必要だと学んだ。これからは残さず飲みたい」と、その味と尊さに感動していた。
野菜収穫体験では、町内農家の吉岡さんが育てた農薬不使用野菜をみんなで収穫し、そのまま生で味わった。子どもたちは「トウキビ(トウモロコシ)が甘くてすごくおいしい」「生で食べたピーマンは苦くない」「お店でこんなに大きなキュウリを見たことがない」と驚いていた。
夕食は、収穫した野菜とハスカップで、カレーとハスカップジャムづくりに取り組んだ。空き缶を使ってごはんも炊いた。「大変だったけどおいしくできた」「普段ごはんを作ってくれているお母さんと、生産者に感謝したい」と、子どもたちは嬉しそうだ。
最後の夜となる3日目の夜は、「僕の夢・私の夢」という作文を発表。子どもたちは「夢の大切さを学んだ」「夢がなくても恥ずかしくない。夢の大きさは関係ないことを学んだ」と力強く語った。
■ 最終日は保護者の前で発表会
8月4日の最終日は、「伝える」がテーマ。羽田空港に到着次第、報告会を行った。子どもたちは模造紙や画用紙に、紙芝居風にしたり、イラストなどを描いたりしながら、3泊4日の感想を話した。保護者たちは一回り大きくなった子どもたちの姿を嬉しそうに見つめていた。