有機ロメインレタスの産地を見に行こうツアー
2016.09.29 農
9月10日、長野県東御市にある有機レタスの圃場で収穫体験ツアーを実施した。「和民」と「坐・和民」では、今年6月9日から7月20日までの限定メニューとして「有機ロメインレタスとケイジャンチキンのごちそうシーザーサラダ」を提供。今回のツアーには、期間中に店舗で応募し、抽選で選ばれた親子連れのお客様など7組13人が参加した。
ワタミファームでは2002年から千葉県山武町にて農場運営を開始し、現在までに全国12カ所で有機農場を運営している。農林水産省の調査によると、日本で生産されている農産物のうち有機農産物は0.2%。それに対し、現在、ワタミグループの外食店舗で扱う有機野菜と特別栽培野菜の割合は約40%で、今後さらに増やしていく予定だ。
今回のツアーは、ワタミグループが有機農業を手掛けていることをより多くの人に知ってもらうために企画された。
■ 朝採れレタスの食感に驚き
ツアー当日はよく晴れ、参加者はまず、東御市の山々を見渡すことのできる「レストランOH!LA!HO(オラホ)」に向かった。
レストランでは、朝採れレタスをふんだんに使った「信州サーモンとレタスのサラダ」を試食。参加者は「パリパリで甘さがあって美味しい」と、しっかりした食感に驚いていた。実はロメインレタスは煮崩れしにくい特徴がある。ロメインレタスを煮込んだクリームスープは「真似をしたい」と好評だった。
午後には、近くにある東御農場に移動し、収穫体験を行った。農場は標高700~1100メートルの場所に位置し、標高の高さから生まれる寒暖差がおいしいレタスを栽培するのに適しているという。
2012年から東御農場を管理するのは、「農業をやりたい」とワタミに入社した原聖馬農場長だ。社内で前例の無いなか、試行錯誤してレタスの有機栽培を成功させた。
東御農場のレタス栽培では、有機JAS規格で使用が許されている農薬さえ使っていない。肥料には緑肥という方法を採用し、マメ科のクロタラリアを植えて収穫せずに土に還すことで、養分の行き届いた土壌づくりを行っている。手作業で数時間かけ、レタスについた虫を取ることもあるという。
原農場長は「雨や太陽の光はコントロールできない。農業においてコントロールできるのは土だけ」と熱く語る。
「堆肥というのは生きている物そのもの。その中に微生物をたくさん住まわせて、畑に戻し、畑の中で飼う。これが有機農業の土づくりの原理原則です」(原農場長)
■ 地域とともにつくる循環型社会
同農場では、ロメインレタスの他にサマーエースとシーカーの2種類の玉レタスを栽培している。農場長の指導の下、参加者は慣れない鉈を操りながら、ロメインレタスや玉レタスを自由に収穫した。
大自然のなかでの収穫体験をした学生の2人組は「こんな景色の良い場所で収穫体験ができて嬉しい。持って帰って家族と食べたい」と笑顔を見せた。親子で参加したお母さんは、「普段は好んで生野菜を食べない娘が進んでレタスを食べている」と驚いていた。
参加者は以前から野菜や食、農業に関心のある人が多かった。週末農業の経験がある人もいれば、集合住宅で暮らし、「子どもに農業を体験させる貴重な機会なので応募した」と話す参加者もいた。
収穫体験の後は、ワタミグループが支援する公益財団法人Save Earth Foundation(東京・太田)が森林保全活動を行う「東御の森」へと向かった。
森は間伐により手入れされており、地面は腐葉土に覆われてふかふかしていた。参加者は、様々な木や植物が生息する森を10分ほど歩く森林セラピーを体験した。
ワタミグループは、こうした有機農業や森林保全活動などの事業を通して、今後も地方自治体と連携しながら循環型社会を実現することを目指している。