アバンティが取り組む「四方よし」の東北支援

2015.12.18 自然

自身の「仕事にかける思い」を話すアバンティ渡邊智惠子代表。

自身の「仕事にかける思い」を話すアバンティ渡邊智惠子代表。

みんなの夢をかなえる会(東京・大田)は11月27日、夢をビジネスとして実現させる方法を学ぶ「夢アカデミー」の第2回を都内で開催した。オーガニックコットンメーカーのアバンティ渡邊智惠子代表が講師として登壇し、自身の仕事にかける思いと、東北支援に取り組む背景を話した。会場には受講者ら約20名が集まり、熱心に耳を傾けていた。

■東北支援にかける思い

アバンティは1985年から米国のオーガニックコットンの輸入を開始し、現在はオーガニックコットンの生産から衣料品の製造販売までを行う。東日本大震災後の2011年6月からは、「東北グランマの仕事づくり」を開始し、東北の女性たちの雇用支援に取り組んできた。

渡邊代表は、「私にとって仕事は人生。震災でそれが一瞬にしてなくなってしまった東北の女性たちに何かしたかった」と、プロジェクトにかける思いを話した。支援金よりも継続的にできる仕組みとして、クリスマスオーナメント製作やOEMを通して、宮城県石巻市や岩手県陸前高田市など8カ所で約100人の雇用を創出している。

オリジナルグッズの製造だけでなく、福島県内での綿花生産も始め、収穫した綿花はアバンティがすべて買い取る。プロジェクトを10年20年と継続するため、定番商品や新アイテムの開発も行う。

東北グランマの手仕事で扱う商品。衣料品のほか、ふぞろい真珠を使ったネックレスなどもある

東北グランマの手仕事で扱う商品。衣料品のほか、ふぞろい真珠を使ったネックレスなどもある

■作り手よしを加えた「四方よし」

オーガニックコットンを扱い、雇用創出や有機農業促進に携わるなど、いわゆる「ソーシャル・ビジネス」の分野で活動するアバンティだが、渡邊代表はオーガニックコットンを販売するのは「社会貢献目的ではなく、あくまでもビジネス」と語る。

通常、綿花は農薬や枯葉剤を多用するため、収穫時の健康被害が深刻だ。インドなどでは、児童労働の温床となっているケースもある。オーガニック認証を受けて作るオーガニックコットンなら、環境負荷が少なく、人権にも配慮できるメリットがある。

渡邊代表は「思いが公明正大であれば必ずかなう」とし、100年続く企業になるためには「三方よし」の姿勢が大切だと説く。売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」に作り手よしを加えた「四方よし」を提唱する。

農園のほか、保育・介護施設を併設した「アバンティ村」を小諸につくり、土に還る素材で社屋を建てることや自然エネルギー自給など計画する。同社は社員が株を持つコーオウンド・ビジネスに15年かけて転換する予定だという。

夢アカデミーは、さわかみ投信の創業者・澤上篤人氏を塾長とし、社会起業家を目指す若者が夢をビジネスに落とし込む方法を学ぶためのセミナーだ。2期目となる今回は10月に開講。第3回の授業は12月に開催し、地方創生に取り組む「土佐ひかりCDM」の近藤広典代表が登壇する。


社会との関わりや、人や社会、地球を元気にする取り組みなどを紹介します。