外食産業で雇用を!カンボジア「和民」1号店OPENの背景にある14年
2014.09.12 食
6月30日、カンボジアの首都プノンペンに
居食屋「和民」1号店がオープンしました。
ワタミグループにとって、カンボジアは公益財団法人School Aid Japan(以下、SAJ)の支援を通じて、 特別な思いがある国。今回は、その支援活動の次なるステージとして、外食産業での雇用創出を目指します。ワタミグループが見続けてきたSAJの14年間の活動を振り返りながら、新店舗居食屋「和民」をご紹介します!
学校建設から始まった、カンボジア支援
ベトナム戦争に巻き込まれる形ではじまった、カンボジアでの内戦。1970年から1991年までの22年間続き、校舎や教材が破壊され、教育制度も崩壊しました。内戦後、都市部での経済成長が著しい一方で、農村地域は貧しいまま。学校のない地域も多く、子どもたちは教育を受ける機会に恵まれていませんでした。そんな実情の中、「一人でも多くの子どもたちに教育の機会と環境を提供したい」と、ワタミグループ創業者の渡邉美樹がNPO法人スクール・エイド・ジャパンを立ち上げ(2009年度より、公益財団法人として活動)、2001年に学校建設をスタート。SAJの活動主旨に賛同した会員からの寄付金によって、これまでカンボジア、ネパール、バングラデシュに202校(2014年7月末)が建てられています。そして学校建設の傍ら、カンボジアでは学校に通えない子どもへ様々なサポートを行っています。今までに 文房具や制服の支援は8180人に、お米の支援は5430人にのぼります。
▶これまでの学校建設については、こちら
貧しくて学校に通えない子どもの生活を支援
新しく学校を建設し、教育を受ける環境をつくっても、家庭がとても貧しく学校に通えない子どもたちがたくさんいました。そこでSAJが次のステップとして始めたことは、そうした子どもたちの生活を支援していくこと。2008年に、カンボジア孤児院「夢追う子どもたちの家」を立ち上げ、HIVなどの病気で親を失った子、片親がいても貧しくて学校に通えなかった子、十分な食事を得られなかった子などを受け入れてきました。そして、現在、約80人の子どもたちが学校へ通いながら共同生活を送っています。 開園から6年、初めての大学生も誕生しました!
食と職をつなげた「就労支援事業」
学校建設や、孤児院運営など、現地で活動をしていた中でSAJ職員が出会った子どもの多くは、貧しい農家の子どもたちでした。 実は、カンボジアは、国民の7割が農家と言われているほどの農業大国。しかし、内戦による農業への打撃と農業技術の低さから、とても厳しい暮らしを送っています。 そう、貧困問題の根底から変えていくためには、農民の農業技術の向上とそれによる生活安定がとても重要なのです。また、働きたくても仕事がないカンボジアでは、せっかく生活環境が整い、学校に通えるようになっても、学校卒業後に就職ができません。そうした現実を目の当たりにし、農業を通じた就労支援を行っていこう!と2010年に設立されたのが「SAJ Farm」です。ワタミグループでは、日本でのワタミファームの運営を通じて培ってきた有機農業の知恵やノウハウをカンボジアで伝えていく、そんな役割を担っています。そして今では、孤児院の子どもたちの就職先の1つにもなりました。将来的には、カンボジアの農業従事希望者を募り、農業研修所として農業指導も始めていく予定です。
外食産業で現地に雇用をつくる
学校建設、孤児院運営、農業支援などカンボジアを中心に、活動を続けてきたSAJ。
ワタミグループでは、設立当初から支援を続ける中で、さらなるステージへあがるべく
この度、居食屋「和民」をカンボジアの首都、プノンペンに出店しました!
2014年6月30日にオープンしたカンボジアで最大規模、かつ初めてのショッピングモール「イオンモール プノンペン」の中にあります。 モダンジャパニーズを表現し、スタイリッシュな内装で本物の日本を感じていただけるようなサービス、そして日本の「和民」を忠実に再現した味と品質の日本食をリーズナブルな価格帯で提供しています。オープンから、約2ヶ月が経過しましたが、毎日多くの家族連れで賑わっています。家族みんなで、そして笑顔で食事をしている姿が印象的なお店です。
ワタミは、これまでの寄附やボランティアという支援から、一歩踏み出し、急成長をとげているプノンペンでの出店。外食産業でも働く先を広げ、カンボジアの子どもたちの進路の選択肢を増やしたいと考えています。また、SAJを通じてカンボジアの農業の基盤作りを引き続き行い、「カンボジアで作った食材で、おいしい料理を提供していく」という地産地消の外食産業モデルを作りあげるため、カンボジア・ワタミはこれからも活動を続けていきます!
そんな夢がいっぱい詰まったカンボジアストーリー、今後もぜひご注目ください。
(o:kun編集部)